No.26 和歌山県立医科大学:平成25年保健看護学部前期日程模範解答

問1.筆者は老いをどのようにとらえているかを400字以内で述べなさい。

 

 若い人々は、老いとはどのような事態なのかを知ろうとするが、一方で老い始めた人達は、安易においてはならぬ、と息を詰めて鍛錬に熱中する。そういった姿を見て、筆者は、彼らは自分の自然な居場所を見出すことの難しくなった人達の慌しい動きではないのか、と感じている。自然に老いる、ということがいいのではないかと筆者は考えている。また、テレビの番組では、健康番組が増加し、それによって一般大衆に、健康に対する希求と病に対する憎悪をともに増幅させていると考えている。老化というものは確かに人々に何らかの制約をもたらすものであるし、それだけ一層、人々は健康を信奉し、病を毛嫌いするようになっている。しかし、老化そのものを素直に受け止める姿勢が認められてもいいのではないか、健康な老化があるとしたらそれが一番望ましいのではないかと考えている。それは、人間にはどちらにしろ必ず死が訪れるのである、という考え方が背景にある。

 

問2.健康な老化があるとすれば、それはどのようなものか。あなたの考えを述べなさい。

 

 健康な老化があるとすれば、それは、他人に介入されず、自分なりの考え方をもって老いを迎える、ということであると考える。巷には健康に関する商品やサービスがあふれているが、それはむしろ「健康に対する信仰」と言ってもいいだろう。健康であることは正しいことであって、我々は健康でなければならないという信仰である。確かに、健康であることはその人個人にとっても心地よいことである。しかしながら、健康でなければならない、と強制されたとき、それがもたらす「健康」は心地よいものと言えるのだろうか。私はそうではないと考える。自分で自分なりの考え方をもって生き、仮に病になったとしても、それはそれとして受け止める姿勢が、健康な老化と言えるのではないだろうか。老化するということは、死までの時間が次第に短くなっているということである。その中で、他人から押し付けられた考え方で、身体の健康増進に努めようとして時間を費やすのは、実はそれは自分の残り少ない人生を生きることができていないということではないだろうか。自分は自分の人生を生き、人生を全うしようとする、その姿が健康な老化なのではないかと考える。