No.4 福岡大学医学部医学科:平成28年小論文模範解答

 「プラシーボ効果」と「ホーソン効果」の効果が疑似科学と呼ばれかねないのは、用い方を誤ると、それらが実証のないまま効果のあるものだとして扱われかねないからであると考える。そもそも、科学と「疑似科学」とは何が違うのであろうか。科学の営みとは、あらかじめ立てた仮説を基にして、実験を繰り返し、厳密な結果をだすことである。一方、「疑似科学」は、本文でも述べられている通り、一見科学的だが、結果に普遍性がないとか、結果に関して隠れた原因があるといった、実証性のないものである。

 

 具体的な例を挙げれば、幼児英才教育の一部があてはまるだろう。すなわち、幼児英才教育とは、子どもが1才や2才の頃から、知性が育つようにと教育を施すものである。著名な大学の関係者や医師といった、一般的に専門家と見なされる人々がその教育法を推薦している場合さえある。幼児英才教育においては、仮にその教育を受けた子どもが知性的な大人に育ったとしても、その結果の原因が明らかでない場合が多い。保護者は、自分の子どもについて過大評価しがちである。そのため、単に英才教育を受けたというだけで、子どもが知性的になったと考えることもあるし、本人がそう考えることもあるだろう。これは「プラシーボ効果」の例と言える。また、英才教育を受けさせる保護者は教育熱心で、幼児期から青年期にかけて継続して教育を施したかもしれない。これは「ホーソン効果」の例と言える。

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