No.30 金沢医科大学:平成29年小論文模範解答

【1月30日実施分】

 企業の成長には「知の探索」と「知の深化」のバランスが重要である。しかし、企業は効率化のために「知の探索」を怠り、結果的にイノベーションが停滞してしまう。また「中期経営計画」、特にその期間設定が問題だ。短期的な効率性にとらわれ、長期的なイノベーションができなくなる。長期的なビジョンがあれば、ものの見え方は変わってくる。加えて、長期的な視点に立てば、革新性のあるダイバーシティが重要だが、日本企業は同質性を求め、全会一致になりやすい。企業がビジョンをもつのは、経営的・社会的にも合理的だ。不確実な状況下でも、ビジョン型リーダーがふさわしい。変化が起き続ける時代だからこそ、長期的なビジョンが必要なのだ。

(300字)

 

【1月31日実施分】

 予期せぬ事態が起こったときに、「安全」に関する基準値が注目される。「安全」の解釈に溝があり、それが元で対立が起きることがよくある。「安全」の定義からすれば、それは「心配」がない状態であり、そもそも心理的要素が含まれる。「安全」は個人の主観的なものなのだ。一方、「受け入れられないリスクがないこと」を社会の安全の定義とすることができる。このような定義の下で、「受け入れられないリスク」に関する合意ができれば、抽象的な「安全」を、「基準値」という形で具体的・定量的に測ることができる。「安全」に関して議論がかみ合わないのは、それが「社会的なリスク」か「個人としてのリスク」なのか、受け止め方が違うからだ。

(300字)