No.31 金沢医科大学:平成28年小論文模範解答

【2月4日実施分】

 生物分類の基本単位は「種」であり、「種」を認識する能力は人間に本来的に備わっている。ある系統からのつながりが切れたものが、「種」として認識される。かつては「種は不変」だと考えられていたが、生物は進化し分化するものだというのが現在の考え方だ。生物の分類群によって、種の数には差があるが、種の数が違うのは、「種が同じである」ときのレベルが違うからであるとも考えられる。昆虫とほ乳類を比較すると、遺伝子配列が多少変わっても、ヒトは種としての同一性を維持できる。ほ乳類は種を支えるシステムに柔軟性があり、昆虫などとは違っているのだ。とりわけ人間は高い遺伝的多様性をもつほどに進化的時間がたっていないのである。

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【2月5日実施分】

 医学は進歩し、日本人の健康向上と平均寿命延長に寄与した。しかし、医療は信頼を失い、医療関係者は感謝されない。医療は安全であることが必要だが、リスクを伴うこともある。医療事故が続発し、批判は増大している。医療批判は、社会からは当然で、医療関係者からは危惧されている。日本の中だけで見ると、医療は問題が多いように思えるが、世界的に見るとそのレベルは高い。公平に判断すると、日本の医療の質は悪くない。医師も信頼を寄せるに足る。しかし、医療レベルに比べて、医療システムは問題が多い。したがって、事故が起こったとしても、その原因をシステムの観点から考えることが重要だ。日本の医療の問題はそのシステムにあるのだ。

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