No.34 日本大学歯学部:平成27年小論文模範解答

 総務省は,毎年増加している老年人口(65歳以上)が,平成25年10月の我が国の人口推計で3,150万人を超え,総人口の約25%を占めることを発表しました。この増加に伴って,健康寿命(健康上の問題がなく日常生活を送れる期間)と平均寿命との差が広がると,QOLは下がり,医療介護費なども増えることが懸念されています。

 そこで,高齢者のQOL向上のためには,健康寿命と平均寿命の差を縮小する必要があります。このために歯科医師は歯科医療においてどのような役割を果たすべきか,あなたの考えを述べなさい。(横書き:600字以内)

 

解答

 日本は高齢社会であり、高齢者の健康を保持することが課題となっている。健康寿命と平均寿命の差を縮小するためには歯科医師はどのような役割を果たすべきか。私の考えを述べる。

 口腔の健康は、全身の健康や日常の活動能力、そして何よりQOLに大きく影響することが多くの研究によって明らかにされている。不良な生活習慣は、う蝕や歯周病をもたらす。それは歯の喪失となり、噛む能力が低下し、栄養バランスが悪化する。そして、生活習慣病と呼ばれる、心疾患や糖尿病、がんといった深刻な状況になるのだ。このような影響を予防するために歯科医師が果たすべき役割は何か。

 それは、人体全体に関する医学的知識を深め、医師と連携することであると考える。確かに、現在の日本においては、歯科は医学部と別個にされている。しかし、患者の生命を守るために治療をすることには変わりない。したがって、歯科医師は、自分の専門領域にのみ目を向けるのではなく、視野を広げることが必要だ。先に述べたように、口腔の環境は人体全体に影響するから、歯科医師も人体を総合的に見て、患者の健康を回復、維持しなければならない。医師との緊密な連携による治療も必要だ。

 以上のように、歯科医師であっても、患者、とりわけ高齢者のQOLを向上するためには、自分が得意な部分にとらわれてはならない。患者の健康を守るべく、人体全体について日々学び、医療現場で活かすことが求められると考える。

(600字)