No.44 信州大学教育学部ー保健体育(推薦):平成28年小論文模範解答

【課題文要約】

 

 運動が不得意な小学5年生A子さんは体育の授業で逆上がりができなかった。B先生は個別練習を提案し、ついにA子さんは逆上がりを成功させた。A子さんはこうつぶやいた。「やったよ・・・B先生。これでもう、逆上がりはしなくていいんだね。」

 

 

 

【設問引用】

 

 あなたがもしこのB先生の立場にあったとしたら、A子さんのつぶやきを聞いた経験から何を学び取ろうと考えますか。B先生になったともりで、あなたの考えを700字以上800字以内にまとめなさい。

 

 

 

【解答】

 

 私がA子さんのつぶやきを聞いて学び取ろうとすることは、適切な目標設定をしなかった場合、人はその目標の上にあるさらなる高みを目指せずに、その時点で燃え尽きてしまうということだ。私たちは誰しも、その時々で達成したい目標があり、それを達成するために努力をする。もちろん、その目標を達成することには喜びが伴うし、自分を成長させてくれる糧になる。しかし、問題は最初の目標設定の仕方ではないだろうか。すなわち、「自分がどうありたいのか、どのような人間になりたいのか」ということを念頭に置いて努力をしていくべきだということだ。そして、そういった「自分の望ましい在り方」を踏まえ、逆算し、適切で具体的な目標を立てて努力していくべきだと考える。なぜなら、「自分がどうありたいのか」ということ、すなわち「自己実現」を最終的に目指すものだとしなければ、課題文のA子さんのように「燃え尽き症候群」に陥ってしまうからだ。「燃え尽き症候群」とは、ある目標を達成したものの、その後の目標を見失って無気力になる心理状態のことを言う。このような「燃え尽き症候群」になってしまわないよう、生徒を指導する立場にある人間としては、いかにより高い次元の目的を達成できるよう導くことが必要だと考える。確かにA子さんの目標は「逆上がりができること」であった。しかし、たとえば逆上がりが一度できたからと言って、それだけで終わるわけではない。いかに美しいフォームで逆上がりをするか、いかに軽い力で逆上がりをするかなど、より高い次元での目標設定が可能である。そして、それらを通じて、自分が努力をすれば目標を達成できること、それに伴う達成感を得られる。また、指導者としても、そういった、その努力の過程で生徒が得られるものもあることを見逃してはならない。設定した目標が適切か、さらなる高い次元に向かうことが可能かということを常に意識せねばならないと考える。