塾長の菊池です。これまで小論文模範解答集ということで淡々と掲載しておりましたが、今後は時折他の記事も掲載いたします。
「起承転結」という言葉は、小論文を書くときでなくとも、皆さん一度は見聞きしたことのあるものだと思います。
では皆さん、もしかして「起承転結」で小論文を書こうとしていませんか?もし「起承転結」で小論文を書こうとしているのならば、認識を改めた方がよいと、私は考えています。
「小論文の参考書に『起承転結で書こう』と書いてあったけど…」
「ネットで小論文の書き方を調べたら『起承転結の型で書けば大丈夫』とお薦めしていたけど…」
確かに、「起承転結」を書き方の「型」として薦める参考書や指導者がいることは事実です。私自身もその指導方法を完全に否定するものではありません。そこで推奨する「小論文の書き方」にはそれぞれの信念があり、工夫をしているはずだからです。
しかし、私は菊池塾Nextの塾長として、「起承転結の型にはめて書くよりも、序論・本論・結論の三部構成という方針で書く方が大学入試小論文には適している」と判断しています。
理由は下記の通りです。
- 「起承転結」はもともと古代中国の漢詩に用いられた技法であり、論理的に物事を述べる小論文には適していない
- 「起承転結」の型にはめようとすると、三番目の「転」の部分で論の筋を変える必要があるが、それは入試の限られた時間内では極めて困難
- 「序論・本論・結論」の三部構成で書けば、型にこだわりすぎることなく論理的かつ迅速に論文を仕上げることができる
大学入試はあくまでも「入学試験」です。必ず制限時間があります。その中で筋道だった文を書くには「起承転結」では時間がかかりすぎますし、答案を構成するのも困難です。「序論・本論・結論」で書けば、起承転結の「転」を考えずに、自分の考えたことを答案に素直に書くことができます。※「序論・本論・結論」の書き方は別の記事で書こうと思います。
以上のように、短い試験時間内にある程度内容が完成された小論文を書くという目的には「起承転結」はそぐわない、と私は考えています。当塾の指導もその考え方に沿っています(※「あらゆる文章に起承転結が合わない」ということではなく、「大学入試小論文に限って言えば起承転結はそぐわない」ということですので、その点はご留意ください)。「起承転結」に囚われず、明快な小論文を書いていきましょう!