No.46 金沢医科大学2018年度前期小論文模範解答

<1月29日実施分>

 私たちは、まだわからないはずのことが先駆的・直観的にわかる。このとき、知性が発動するのであり、これこそが知性の本質的様態であると言える。自然科学は科学者たちによって切り拓かれてきたが、その科学的知性の原型は子どものうちにも見ることができる。そういった科学的知性における先駆的直感には時間が関与していることが特徴である。時間の経過とともに、まだわからない問題がわかるという予見が確かなものに変じていくのだ。自分が触れた巨大な知をわかろうとする時間は、より大きな時間の流れの中に含まれる。自分に続く多くの何世代もの人々との長い協働作業を通じて、自分が発見したものが明らかになる。その連帯が自然科学なのだ。

(300字)

 

<1月30日実施分>

 時間経過の感覚について、子供の頃は時間の経過をゆっくりしたものだと感じるが、大人になると時間が瞬く間に過ぎるように感じるという疑問がある。ある考えによれば、自分の年齢を分母にして1年を数えると、歳をとるにつれ1年の重みが相対的に小さくなるという。しかし、これは時間の経過の感じ方という意味では理由にならない。時間の経過の感じ方が変わるのは、体内時計の仕組みに起因する。タンパク質の新陳代謝速度が体内時計の基準であり、それは加齢とともに遅くなる。そのため、体内時計が刻む1年は次第に長くなるのだ。一方、物理的な時間の速度は一定だ。したがって、実際の時間の経過に自分の生命の回転速度がついていけないのだ。

(300字)