No.47 早稲田大学スポーツ科学部2016年度小論文模範解答

 「運動部の活動」を改革すべきかを論じるにあたっての論点は、否定側の論点を踏まえると次の二点が挙げられる。一点目は、高校生の心身の発育発達を図る上で重要な機会となっているかということである。また、二点目は、競技力向上や生徒の一体感などが醸成されるかということである。

 まず、一点目の論点について論じる。運動部でのスポーツ活動が高校生の発育発達を図る上で重要な機会であることは、確かにその通りである。スポーツ活動を通じた心身の発育発達というものは重要だ。しかし、それはスポーツ活動をしさえすれば心身が発育発達することを意味しない。そもそも高校生の本分は勉学にあり、仮にスポーツ活動が勉学を阻害するものであれば本末転倒である。「関連事項に関する記述」にあるように、部活動は教育課程との関連をもたなければならない。すなわち、部活動は教育を前提としたものだ。翻って運動部の活動の現状を見るに、早朝及び放課後の練習、及び休日の試合や大会などで高校生の限りある時間を奪ってしまっているようにも見える。生徒の自発的な参加によるスポーツ活動にはもちろん賛成である。しかし、指導者の恣意的な判断によって生徒の時間がなくなってしまう現状は危惧すべきであり、改革は必須である。

 次に、二点目の論点について論じる。運動部でのスポーツ活動が競技力向上や生徒の一体感を醸成するものであることは肯定できる。ただ、問題は、それを強制してしまうことで、生徒の自立性や自主性をないがしろにしているのではないかということだ。つまり、競技力の向上を第一の目的にした場合や、それに応じて生徒に同調圧力をかけた場合に、生徒の成長が阻害されてしまうのではないかという懸念があるのだ。「関連事項に関する記述」にあるように、部活動は責任感、連帯感の涵養等に資するものである必要がある。もちろん、スポーツ活動自体がそれらを妨げるというわけではない。しかし、現状は「競技で勝てばよい」という考え方があるのも事実ではないだろうか。そして、競技で勝つことを目的とするばかりに、生徒に対して無理な練習を押し付けたり、同じ部活動の生徒との協調を無理強いしたりする部分は否定できないのではないだろうか。これでは生徒の自立性、自主性は育つことはないと思われる。したがって、現状は改革すべきである。

 以上の二点より、私は「運動部の活動」については、改革をすべきであると考える。

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