No.77 首都大学東京人文社会学部模範解答例

筆者は、猟師とケモノは同じ地平に立っており、彼らと同化し、知りたいと考えている。かつては平等であった人間とケモノとの関係のように、猟師とケモノとは平等であるとする。

人間と動物との関係は、筆者が述べるように平等であることも理想形の一つであるが、現実にはそうではないと考える。むしろ、人間と動物との関係は、人間が動物を利用するという関係に集約されていかざるを得ないはずだ。現代社会において、人間は動物を利用することでしか生活を維持することはできない。食にしても、医療品などにしても、人間が生きる上で欠かせない要素として動物が存在することは確かだ。筆者が言うように、生きとし生けるものはみな平等であるというのは理念としては正しい。同じ地球に生きる生命という意味では差はない。だが、現代社会は、人間が動物の命を奪うことによって成立していることは疑いようのない事実である。ここに人間と動物との関係のジレンマが存在する。

 

人間は動物を利用することでしか生きられない事実を、事実としてそのまま受け止めることが必要なのではないだろうか。動物愛護といっても、私たちはすべての動物をその範疇に入れているわけではない。また、地球を保護するといっても、それは人間にとって住みよい環境というカッコつきでの地球の保護である。したがって、動物本位で人間と動物との関係を語ることは事実上不可能なのである。私たちはその事実を受容した上で、動物との関係を考えなければならない。人間は自然界の微妙なバランスを保ちつつ、人間自身の生存を第一としていることを認める方が現実的だろう。その上で、現実を踏まえながら、現代社会における人間と動物という関係は上下の関係でありつつも、均衡自体は維持するということを念頭に置いていかなければならないのだ。(749字)