このページでは、昭和医科大学医学部の小論文についての対策をご紹介します。
昭和医科大学は私立大学で小論文および面接が課されます。小論文はテーマ型(短い問題文があり、テーマを与えられて答える問題)の小論文で、医療に関することが多く問われますが、まれに医療以外のテーマを問われることもあります。
医療のことだけでなく、テーマ型の小論文入試のある大学の過去問にも取り組んでみることをおすすめします。
以下の記述は、大学によって公開されている情報や小論ラボが受験生から収集した情報をもとに作成しております。入試内容は変化する場合もありますので、大学の募集要項もご自身でご確認をお願いいたします。
小論文の傾向・過去問題は
入試の種類 | 私立 総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜(Ⅰ・Ⅱ期) |
出題形式 | テーマ型 |
文字数 | 600字程度(指定なし) |
試験時間 | 60分 |
評価方法 | 点数換算(20点満点) |
小論文のテーマは医療系だけではない
昭和医科大学医学部の小論文では、医療に関するテーマが多いですが、それ以外のテーマが出題されることもあります。広く社会一般に通じる知識や視点を持っておかないと、足元をすくわれるおそれがあります。
現在、日本の医療では医師不足が問題となっています。この原因は医師の絶対数の不足だけでなく「地域による偏在」 (下図 ※省略)も要因になっていると言われています。医師の地域による偏在を解決するにはどのような方法があるか意見を述べてください。
昭和医科大学 医学部医学科 2024年 一般選抜
AI技術は医療の分野でも積極的に取り入れられています。AIが医師の診断率を上回る結果を残している報告もあります。今後、AI技術を活用する世界で、医師としての役割はどのように変化していくとあなたは考えますか。簡単に述べなさい。
昭和医科大学 医学部医学科 2023年 一般選抜
近年、医療の世界では「女性医師の支援に関する取り組み」や「働き方改革」について論するときに「ダイバーシティ」という言葉がよく使われます。ダイバーシティの本来の意味は性別だけでなく「多様性」や「多様である状態」を示し、年齢、信仰や思想信条、国籍や母語とする言語、出生地、学歴、身体的な機能・・・など、様々なものが挙げられます。現在の日本の医療が抱える性別も含めたダイバーシティに関する問題点と、ダイバーシティを推進することにより、どのような事が期待できるのか意見を述べてください。
昭和医科大学 医学部医学科 2023年 一般選抜
情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為を遠隔診療と言います。遠隔診療のうち、医師一患者間において情報通信機器を通して診療行為をリアルタイムに行うのがオンライン診療です。新型コロナウイルス感染の懸念から、電話やスマートフォンで医療機関に相談や受診することの出来るオンライン診療が行われるようになりました。オンライン診療のメリット、デメリットについて述べ、実施にあたり医師に必要な知識についても述べなさい。
昭和医科大学 医学部医学科 2022年 一般選抜
成年年齢が2022年4月1日から18歳に引き下げる「民法の一部を改正する法律」が施行されます。どのような理由で成年年齢が引き下げられたのでしょうか。それによってどのような事が変わるでしょうか。
昭和医科大学 医学部医学科 2021年 一般選抜
面接にも注意が必要
昭和医科大学の医学部の入試では、小論文に加えて「数学」「英語」「理科」「面接」があります。
もちろん、それぞれの科目の科目の点数を取ることは最重要なのですが、「小論文」と「面接」にもかなりの注意が必要です。
医学を学ぶにあたっての動機や意欲のほか、医療に向き合う態度、基本的なコミュニケーション能力、個性や才能、医学に対する熱意と情熱を備えているかを評価し、点数化します。面接は100点満点で評価されるため、入念な対策が必要です。高得点であっても面接試験の評価が著しく低い場合は不合格となるので注意しましょう。
小論文の対策はどうすればいい?
昭和医科大学の医学部医学科の小論文の対策のポイントは、「医療系を中心としたテーマを書く練習をする」「論理的な表現をこころがける」の2点です。
テーマ型の小論文を書いて、信頼できる指導者と話し合う
医療系を中心として、テーマ型の小論文を数多くこなしてみましょう。
過去問題からもわかるように、医療系のテーマが多く出題されています。そのため、まずは医療系の知識を蓄積しておくことが重要です。
ここで注意したいことは、頭で考えているだけでなく、論理的な文章となるように実際に書いてみることです。頭の中ではイメージできていても、いざ書くとなると話は別です。
採点官が納得できるような答案になるように、自分の意見を論理的にまとめる練習が大切です。
また、その意見が本当に論理的になっているのかは自分自身では評価しにくいです。
その場合は、信頼できる指導者とディスカッションをしながら、自分の答案が納得できるものになっているか再検討してみましょう。。このディスカッションは友人とでもいいですが、できれば学校や予備校の先生に頼んでみましょう。
小論文の入試としては標準的な問題を出すのが昭和医科大学です。
テーマ型のため、資料を読む必要はありませんが、書き始める前の構成の時間を考えれば、一度書き始めた後に再び書き直すのは賢明ではありません。
練習の段階から60分という時間の中で完答できるようにしておきましょう 。
小論文の練習方法は?
昭和医科大学の医学部医学科の小論文の特徴は「医療系のテーマが中心として出題されること」でした。
これらと同じ特徴を持つ大学や、これから狙われるかもしれないテーマをご紹介します。
小論文の傾向が近い大学の過去問はやってみる
昭和医科大学の医学部医学科の小論文の傾向と似た問題を出題する大学として、関西医科大学医学部、近畿大学医学部、日本医科大学医学部などがあげられます。
文字数が指定されていたり、問題の形式が違ったりなど、若干の違いはありますが、ペース配分の練習になりますので、昭和医科大学の過去問をやってみたあとで不安に思う受験生は、これらの大学の過去問にも取り組んでみるといいでしょう。
医療分野のテーマに関しての練習はもちろん、時事問題や社会問題に関してのテーマも何度か書く練習をしてみることをお勧めします。
プロ講師が考えるテーマ予想は?
医療とAI・デジタル技術の融合:最新技術の医療応用とその倫理的課題、公衆衛生と世論:感染症危機における医療体制と社会的対応、医師の働き方改革と医療の質:医師の労働環境改善と医療サービスの質の両立、高齢化社会と医療資源の配分:限られた医療資源の公平な分配と医療経済、医療のグローバル化と国際貢献:国境を越えた医療連携や途上国支援など、これらのテーマについて、医学的視点だけでなく、社会的・経済的・倫理的側面も含めた多角的な考察ができるよう準備しておくことが重要です。
これらのテーマに対して、自らの考えを深く掘り下げ、具体例を挙げながら議論を展開していく練習をしておくべきでしょう。
面接対策は入念に
次は配点の高い「面接」対策です。昭和医科大学の医学部医学科の面接は、あなたの個性や熱意を直接アピールできるチャンスです。しっかり準備して臨みましょう。
志望動機と将来展望、医療的知識は頭に入れておく
昭和大学医学部の面接は、比較的オーソドックスな形式で行われることが多いようです。
・形式: 受験生1人に対し、面接官2人による個人面接。
・時間: 10分程度(タイマーで正確に計られます)。時間になると途中でも終了となるため、簡潔に答える練習が重要です。
・雰囲気: 圧迫面接のような雰囲気ではなく、比較的和やかに進むことが多いようです。面接官が相槌を打ってくれたり、笑顔を見せたりすることもあるので、リラックスして臨みましょう。
・事前アンケート: 面接の前に、アンケート(面接シート)を記入する時間があります。内容は志望理由、長所・短所、高校時代のこと、気になるニュースなど多岐にわたります。この内容が面接での質問のベースになることが多いので、事前にしっかり考えておくことが大切です。
特に、なぜ昭和医科大学なのか?他の大学でないのか?に関しての答えは用意しておくことをお勧めします。
過去の受験生の情報などから、以下のような質問がよく聞かれるようです。事前に自分の考えをまとめておきましょう。
【志望関連】
・医師を志望する理由は?(きっかけ、経験など)
・なぜ昭和大学医学部を選んだのか?他にどの大学を受験しているか?(併願校)
・将来、どのような医師になりたいか?(専門分野、理想像)
・地域医療にどのように貢献したいか?
【自己理解】
・あなたの長所と短所は?
・高校時代に最も力を入れたことは?(学習面、部活動、ボランティアなど)
・リーダーシップを発揮した経験は? 友人関係はどうですか?友人は多い方?
・ストレスをどう解消しますか? 体力には自信がありますか?
・これまでの挫折経験と、それをどう乗り越えたか?
・欠席日数が多い場合、その理由は?
【医療・大学関連】
・最近気になった医療ニュースは?それについてどう思いますか?
・チーム医療についてどう考えますか?あなたは貢献できますか?
・医師に必要な資質は何だと思いますか?あなたにはそれがありますか?
・昭和大学の指導方針(建学の精神「至誠一貫」など)についてどう思いますか?
・医師の偏在についてどう考えますか?
【その他】
・寮生活は大丈夫ですか?
・今日の試験の出来はどうでしたか?
(状況によっては)結婚や出産のタイミングについてどう考えますか?
・どんな質問にも焦らず対応すること
昭和医科大学の医学部医学科の面接では、過去の入試において、昭和大学は1年次は寮生活となるため、「寮生活に不安がないか」という点も面接で聞かれることがあります。
また、「ここに来るとき、自転車事故を目撃したらどうなるか」、「寮生活で顔も見たくないほど気の合わない人がいたら、どうするのか」といったシチュエーション問題も聞かれることがありました。
このような質問に対しては、質問がなされている背景を考えつつ、医師としてふさわしい解答をすることが必要です。
慌てずに、自分が医師だったらどのように答えるのが適切かを考えましょう。
用意してきた答えだけでなく、柔軟な対応をする訓練も欠かせません。