このページでは、横浜市立大学の医学部医学科の小論文についての対策をご紹介します。

横浜市立大学は国公立大学で、前期試験に小論文があります。小論文はテーマ型(短い問題文があり、テーマを与えられて答える問題)の1000字の小論文で、医療に関することが多く問われますが、まれに医療以外のテーマを「医師の目線で考えよ」のような変化球もあります。

医療のことだけでなく、テーマ型の小論文入試のある大学の過去問にも取り組んでみることをおすすめします。

注意事項

以下の記述は、大学によって公開されている情報や小論ラボが受験生から収集した情報をもとに作成しております。入試内容は変化する場合もありますので、大学の募集要項もご自身でご確認をお願いいたします。

過去問・解答例

小論文の傾向は?

入試の種類国公立 前期日程
出題形式テーマ型
文字数1000字
試験時間60分
評価方法段階評価
一定水準以下の評価は不合格

小論文のテーマは医療系だけではない

横浜市立大学の医学部医学科の小論文では、医療に関するテーマが多いですが、それ以外のテーマが出題されることもあります。
また過去には、一般的なテーマに対して「医師の立場で意見を述べよ」といった出題も見られるため、医療分野に限った対策をするのではなく、広い知識や視点を持つための対策をしてから挑みたいところです。

フールプルーフとは、利用者が操作や取り扱い方を誤っても危険が生じない、あるいは、そもそも誤った操作や危険な使い方ができないような構造や仕組みのことを指します。この考えを利用した構造や仕組みを考案し、1,000字以内で説明してください。

横浜市立大学 医学部医学科 2024年 前期日程

皆さんはこれまでの人生の様々な年代、局面で、様々な人から叱られ、また様々な人を叱ってきたと思います。「叱る」という言葉には「指導」になにがしかの「怒り」が含まれているように感じられます。「指導」において「怒り」はなぜ生じるのかを説明し、「怒り」の要素の功罪について1,000字以内で論じなさい。

横浜市立大学 医学部医学科 2023年 前期日程

我が国では、高齢医師が多く活躍しています。一方、海外では高齢医師が認知症のために不適切な診療を行い、患者を致命的な結果に至らせた事例が報告されています。この点を踏まえて、医師のキャリアについてあなたの考えを1,000字以内で記載してください。

横浜市立大学 医学部医学科 2022年 前期日程

「自分の限界を把握し周囲に助けを求める能力」が欠如した医師は、どのような問題を起こすでしょうか。1,000字以内であなたの考えをまとめてください。

横浜市立大学 医学部医学科 2021年 前期日程

面接にも注意が必要

横浜市立大学の医学部医学科の入試では、小論文に加えて「数学」「英語」「理科」「面接」があります。
もちろん、それぞれの科目の科目の点数を取ることは最重要なのですが、「小論文」と「面接」にもかなりの注意が必要です。

「面接」は小論文と同じく段階評価で、一定の水準以下の評価となった場合に、他の科目の点数に関わらず不合格となってしまう場合があります。
受験生の人間性や医師としての適性、さらには将来のキャリアプランに対する考え方が重視されるため、単に点数を追求するだけでなく、医療に対する真摯な姿勢や社会貢献への意欲を表現できるかどうかが問われる場面も多くあります。
「小論文」と「面接」を通して、受験生が医師として必要な資質を総合的に備えているかどうかを判断するためのものであり、単なる知識ではなく、総合的な能力評価が行われる点が特徴的です。

小論文の対策はどうすればいい?

横浜市立大学の医学部医学科の小論文の対策のポイントは、「医療系以外のテーマを書く練習もする(もちろん医療系は当たり前)」「時間配分を注意しながら練習をする」の2点です。

テーマ型の小論文を書いて、他人とディスカッションする

医療系に限らずテーマ型の小論文をたくさん書いてみましょう。
過去問からもわかるように、医療系のテーマ以外からの多く出題されています。そのため、医療系以外のテーマについても対策をしておく必要があります。

ここで注意したいことは、頭で考えているだけでなく、しっかりと指定の文字数を書くようにしてみることです。やってみると意外に自分の頭の中を説明することが簡単でないと気づくと思います。
様々なテーマに対して、自分の意見を論理的にまとめる練習が大切です。

また、その意見が本当に論理的になっているのかは自分自身では評価しにくいです。
その場合は、他人とディスカッションをしながら自分の意見を表現してみましょう。このディスカッションを通して相手の意見も聞けるので、自分の意見を考える要素を増やすことも可能です。

時間配分にも注意が必要

横浜市立大学の医学部医学科の小論文は、1,000字を60分を書かなければいけません。
1,000字のうち9割である900字を書く場合を考えると、1分間に15文字を書かなければいけません。

これは小論文の入試の中でも、かなり時間と分量のバランスが厳しい試験に分類されます。
資料を読む必要はありませんが、書き始める前の構成の時間を考えれば、一度書き始めた後に大幅に変更することは難しくなります。

また、この短い時間の中で「最後まで書く」「自分の考えを論理的に表現する」などを正確に行うためには相当の練習が必要になりますので、練習の段階から時間配分には注意しながら進めましょう。

小論文の練習方法は?

横浜市立大学の医学部医学科の小論文の特徴は「医療系以外のテーマも出題されること」「時間配分が重要になること」でした。
これらと同じ特徴を持つ大学や、これから狙われるかもしれないテーマをご紹介します。

小論文の傾向が近い大学の過去問はやってみる

横浜市立大学の医学部医学科の小論文の傾向と似た問題設定を行っている大学としては、日本医科大医学部、愛知医科大学医学部、富山大学薬学部(後期日程)などがあげられます。

文字数や試験時間に若干の違いはありますが、ペース配分の練習になりますので、横浜市立大学の過去問をやってみたあとで「まだ不安だ」と思う受験生は、これらの大学の過去問にも取り組んでみるといいでしょう。

医療分野のテーマに関しての練習はもちろん、時事問題や社会問題に関してのテーマも何度か書く練習をしてみることをお勧めします。

プロ講師が考えるテーマ予想は?

現代社会における医療技術の進歩や、遺伝子治療、再生医療など、先進医療の発展とその社会的影響について問う問題を背景とした出題が予想されます。
さらに、医療分野以外では地方問題も押さえておきたいところです。これは医療分野の医療倫理や医療の公平性、医療費の負担など、社会全体を巻き込むテーマに繋げられることもあります。

これらのテーマに対して、自らの考えを深く掘り下げ、具体例を挙げながら議論を展開していく練習をしておくとよいと思います。

面接の対策は一般的な医学科と同じ

横浜市立大学の医学部医学科の面接に関しても、一般的な医学科の面接と同じ傾向・内容であると考えて問題ありません。
基本的には「医師としての適性と人間性」が最も大切で、加えて「将来のビジョン」「コミュニケーション能力」などがみられる傾向にあります。

志望動機と将来展望は必ず用意すること

まず、必ず「なぜ医師になりたいのか」「なぜ横浜市立大学医学部を志望するのか」といった、受験生自身の動機や背景、医療に対する情熱や覚悟について、具体的かつ熱意をもって答えることが求められます。
ここでは、個人的な経験や家族、地域での医療体験などを交えながら、自分の原体験をもとに説得力のある回答をしましょう。
特に、なぜ横浜市立大学なのか?他の大学でないのか?に関しての答えは用意しておくこととお勧めします。

また、医師としての将来展望に関することとして「自分自身の強みや弱みは何か」「医師としてどのような専門性を身につけたいか」といった、自己分析や将来に対するビジョンを問う質問がされます。
ここでは、自分自身を客観的に評価し、今後の成長や学習計画、具体的なキャリアプランについて明確に語ることが期待されます。

咄嗟の質問にも焦らず柔軟に対応すること

横浜市立大学の医学部医学科の面接では、咄嗟の対応力を試される質問をされる場合があります。
過去の入試において「病院での順番待ちにいら立った患者に対してどのように対応するか」などといったケース問題を質問されることもあったようです。

このような質問に対しては、質問がなされている背景を考えつつ、医師としてふさわしい解答をすることが必要です。
このような咄嗟の質問では、何か突拍子もない答えを求めているのではなく、医師として誠実に対応できるのか、という能力を問われることがほとんどです。

用意してきた答えだけんでく、柔軟な対応をする訓練も欠かせません。

過去問・解答例はこちらから

過去問、解答例の一覧はこちらです。それぞれの文字をタップ・クリックしてください。

横浜市立大学 医学部医学科 2019年 前期日程
横浜市立大学 医学部医学科 2022年 前期日程

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